番外 アンケートに答えます

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小泉たつみは、芝居が終わって舞踊ショーに移る間の口上挨拶のときに、必ずといっていいほど時間のことを気にする。芝居の上演時間が、予定通りに終われたかどうか。今日は少し押してしまったとか、昼の部は延びてしまったけど、夜の部は大丈夫だったとか。このコロナ禍で、公演の時間短縮を余儀なくされて、劇場によって時間が変わることもあり、時間通りに終われるかどうか、お客さんの帰る時間を気にしてくれているのだろうと思う。しかしあんまり毎回心配してくれるので、デートの最中に帰りの時間ばかり気にされているような、ちょっとサビシイ気分になったりもするのだ。

いまだけは、時間のことを忘れさせて! (みたいな)。

なぜそこまで時間を気にするのか、聞いてみた。

「延長してもいいと思い始めると、キリがなくなっちゃうのでね。2時間半とか3時間とか、やっぱり決まった時間のなかで、どれだけ楽しんでいただけるかということを考えたいんですよ」という。

なるほど、そうだったのか。今回のインタビューでも、たつみ座長は単位時間あたりの言葉の量がとても多く、早口で、つまりたくさんしゃべってくれた。しかも約束の時間が過ぎても、聞きたいことには快く全部答えてくれてありがたかった。

限りある時間のなかに、できる限りを詰め込めるようにという、それは長年の間に培われたサービス精神なのだと思った。

そんなわけで、たくさん話していただいたので、インタビューの本編に収まりきらなかったアンケートの答えを、番外編として掲載です!

生年月日を教えてください。

1981年5月27日生まれ。現在、40歳。

初舞台は?

2歳ころと聞いてはいますが、記憶は全然ないです。それ以降、子役ではあまり舞台に出なかったです。嫌いでもなかったですけど、小学生時代は大阪の家から学校に通ってて、夏休みとかに母が借り出されると一緒に行ってたくらいで。その間も、家に帰りたかったんですよね。楽屋で生活ってなるとスペースも狭いしテレビもないし、子どもの遊ぶ場所もないし、夜になったらうるさい言われるし。おれる場所がないっていうので、家に帰って友だちと遊びたいっていうのが一番強かったです。中学入ってからですかね、がっつり一緒に回るようになったのは。そこからは学校転校しながら行ってて、そうなると勉強の速度が学校によって違うので、おいてきぼりくらってだんだん面白くなくなってきちゃうんです。それが嫌でしたね。しかも、学校に行くには朝6時くらいに起きなきゃいけない。劇団って夜は稽古終わってから寝るんで朝起きるのがつらくて。父から「お前どうすんのや~。学校行くんだったらちゃんと起きて行きなさい。役者になったら12時開演やから9時半か10時まで寝られるぞ」って言われて「役者になります」と。中1くらいですかね。自分で決めた道だからちゃんと責任もってやれよって言われて。そのときは眠たさに負けた。ほんと、不純な動機です。

主な活動エリアは?

圧倒的に関西が多いですね。

得意な演目は?

よく聞かれるんですけど、得意不得意ってあんまり自分で決めるもんではないのかなって気はするんですよ。これは得意だと思ってても、評価されなかったら、正直、得意じゃないじゃないですか。この人、間違えてるよって。何でも客観的に見たいんですよ。

では、好きな演目は?

「夏祭浪花鑑」とか「三人吉三」のような歌舞伎の演目をアレンジして、うちでつくり変えたようなお芝居は、やってて大変ですけど心地はいいですね。

仲のよい役者さんは?

同年代の方は仲いいです。あとは「のぼる會」の方々はみなさん。

もらって嬉しい差し入れは?

いや、もう、いただけるものはお気持ちですから何でも。でもドリンクですかね。水分は絶対取るようにしてるんで。水が一番ありがたいですかね。(と話す間にもぐいぐい。楽屋の机にも水がたくさん並べてありました)

いま欲しいものは何ですか?

欲しいものっていうのは、物ですか? あ、なんでもいい。えーっとねえ、リズム感。どうしても自分が得意としてメインでやっていくのは古典系で、本当は時代劇もんが好きなんですね。舞踊も歌謡曲がいちばん踊りやすい、どこまでいっても。だからちょっと苦手なんですよ、ポップス系が。動きでごまかしてますけど。そういったものを踊れる能力が欲しい。努力しろって話なんですけど。

舞踊の基礎はどなたに習ったのですか?

子どもの頃は母に教えてもらいましたかね。途中から、踊りの先生に習いに行けって言われて行ったんですけど、なんかもう学校帰ってきてそれ行くのイヤで。友だちと遊びたいし、教えたことと違うことするって怒られるし。イヤイヤ行ってて、その先生が偏屈な人だったんでうちの父とちょっと口論になっちゃったんですね。で、「こんな下手くそなとこ行かんでいいーっ!」て父が怒っちゃったんで。ラッキー、これで習い事行かなくていいんだー、どんどんもめてください、ヤッターって。そんな子どもでした。

休みの日は何をしていますか?

普段、日中に表を歩けることがないじゃないですか。なので、景色見ながらじゃないですけど、ぶら~っと、ちょっと買い物行ったりすることが多いですかね。よっぽど時間あったら映画とか観てみようかぁとか。それが発散になってます。

この間の休みは、葵好太郎座長に教えてもらった蕎麦屋に行きました。有名らしいんですよね。美味しいといわれてる店とか、探して行くのは好きですね。時間があれば行きたいですけど。いまはそういう店は、夜遅くまで営業してないので休みの日くらいしか行けない。困りますね。自炊しないと、延々とお弁当になっちゃうんで。

自分の性格をひと言でいうと?

気分屋です。結構ほんとに。気が乗らないときは何をしてもだめですし。こもるときはこもっちゃって、なんにもできなくなるときもありますから。

(2021年10月26日 三吉演芸場)

取材・文 佐野由佳

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